Glide 2.0 Stealth Wedgesの説明には
「精悍なマットブラックのヘッドには、耐摩耗性に優れたQPQ仕上げを初採用。
プレー中の反射を防ぐ効果と同時に、集中力を高めます。」
QPQ仕上げって突然出てきますが、それについてあまり説明されていませんので、ここは私機械屋の登場だろうということで書きたいと思います。
しかし、その前に私なりにGlide 2.0 Stealth Wedgeの誕生の背景を考えたいと思います。
リエゴルフのPINGブログでウェッジの溝について「溝テスト」というブログを投稿しています。それは、GOLFWRXさんの記事を元に書いていますが。まずは、それから引用します。
Titleistさんが、
- 125ラウンド使ったウェッジ
- 75ラウンド使ったウェッジ
- 新品のウェッジ
についてスピン量を計測すると同時に、ランディングしてからボールが止まるまでの距離を測定した結果を示しています。もちろん、使用したウェッジはボーケイだとおもいます。
まずは125ラウンド使用したウェッジでのテスト
24フィートですから、7.2mなかなか止まりませんね。完全にウェッジの寿命が尽きていると判断してよさそうです。
つぎは75ラウンド
18フィートですから、5.4m。まあまあなんでしょうか?バンカーの上7ヤードのピンに対してピンを狙っていくには、もっとボールが止まってほしいと思いませんか?
最後に新品です。
10フィートですから、3m。トン、ツツッって止まります。
プロがピンデッドでピンを攻めているのは、このような理由があったんですね。どうも技術だけボールを止めているわけではないようです。週1ゴルファーでも2年が限度、買い替えの目安ですね。通常であれば、1年が買い替えのタイミングのようです。
このようにウェッジの溝は減るとスピンが少なくなることは明白なんですね。
最近、溝の鋭さを強調する傾向にありますが、当初の性能はどれくらい続くのかということも購入のポイントになりそうですね。
そういうことについて、PINGは工業的な考えをするメーカーなので、溝が減ると性能が落ちるんだから、減らないほうがいいんじゃないのといって、素材的には硬いステンレスを採用するという流れなります。
しかし、やはりプロ・上級者は柔らかい素材のウェッジを使って、タッチを出したいんですね。要望が強かったんだと思います。
しかし、プロ用にヘッドを作らないPINGにとって、溝が減らずにプロに応えるというのは、なかなか難しい問題だったんですね。
そんなPINGですので、8620 カーボンスチールということに関して、ポリシー変更したのではという思いがあったんですが、それがどうもQPQ仕上げの採用によって、守られているようなんですね。
それを、「耐摩耗性に優れたQPQ仕上げ」とマーケティングはさらりと言いますが、エンジニアは結構大変だったんだからねっと思っていると思いますよ。
だいぶ長くなりましたので、具体的にどういうことをしているの?ということを次回にまわしたい思います。