さて、スコッツデールの話をすると出てくるのが船底、平底。ロッカーソールとフラットソールです。
手前がロッカーソール、奥がフラットソールです。
確かに船底=ロッカーソールはソール全体が曲線で構成されており、どんなライからも対応できる形状をしています。一方、平底は形状が平らなのですわりがいいといわれています。
コース設計家 迫田氏のHPによると、「スコッツデールモデルは4つのモールド(金型)が在ったと言われており、2つが平底、2つが船底であったらしい。」ことから4つのモールドからスコッツデールアンサーが誕生しているらしいことがわかります。
PGAツアーの「ピン、『アンサーパター』誕生50周年記念モデルを発表!」で会長のジョンが「50年前のアンサーパターにかなりの手作業が施されたことを、多くの人が気付いていない。手作業でも機械による作業でも、カーステンの手によって、やすりとサンドペーパーで仕上げられていたのだ。オリジナルのアンサーパターの多くが、機械加工と研磨作業をはじめ、最終の組み立て作業までガレージで行われた。兄のアランは、2回目のモールドの工程を機械加工にしている点で少し異なり、それはスロープサイドモールドとよく表現された」(ジョン・ソルハイム)と言っています。
なにやら、ライとか座りとか雲行きが怪しくなってきました。
50年前ですから、私が機械工学を学ぶ前で、当時、微妙な曲線を機械加工できる工作機械はなったと想像できるし、あったとしても当時弱小だったPINGが購入できるものではありません。
よってアランが機械加工によって製作したモールドは直線をつなぎ合わせたものになるしかありませんので、アランが作ったモールドは平底=フラットソールとなります。
そして、衝撃はGOLFALOTのこの生地「Solheim’s Story Of The Ping Anser Putter
Martin Hopley By Martin Hopley」です。
その中の「On How There Were Two Ansers」でこう書かれています。
「For the Anser there were actually two moulds made, one by my brother Allan that had a little more rocker in the sole, and one by Karsten. My brother was working at GE with my Dad back then as a machinist. He was the one who did all the machining for the back cavity of our original irons.
Back then we never mentioned the difference between the two putters – maybe some of the Tour players picked which one they had, but that’s it – we shipped them both.」
「アンサーのために実際には2つの金型が作られました.1つは私の兄Allanによって、ソールにもう少しソールにロッカーがあるそれはKarstenによって作られました。 私の兄はGEでお父さんと共に機械工していました。 彼はオリジナルアイアンのキャビティの機械加工をすべてのした人でした。
当時、我々は2人のパターの違いについては言及しなかった。おそらくツアー選手の中には、彼らが持っていたものを選んだのかもしれないが、それだけだ。」
つまり、ロッカーソールは金型を手作りしたために曲線を持ったソールとなった。フラットソールは一部を機械加工したために平らなソールとなったということで、PINGにとって、性能的な何かを狙ってしたものではなかったということになりますね。